ここが滞在している壱岐シェアハウス。周りは山に囲まれている。このエリアはまだよく知らない場所なので、今日は少し散策することにした。まわりには牛舎があったりしたが、民家は見当たらないようだ。僕の今回の目的はいったい何なのか、見失ってしまうほどの山であり、活動の拠点となる場所を別に探す必要があるように感じ、焦る。

すぐ近くにある原の辻遺跡の周りは田んぼや牛舎が多い印象。広々として美しい。古代からここはこういう風景だったのだろうか。この遺跡の雰囲気を見ると、陶土を野焼きするというようなプランもあるが、土粘土はアトリエに置いてきてしまった。普段あまり物を造ることはしないのだが、何か作業をして落ち着きたい気持ちも芽生えてきた。 原の辻遺跡については、博物館でそのことを少しかじっただけで、まだあまりよく知らない。滞在前の9か月間は、比較的新しいことを中心に調べていたからだ。

エリアマップを見ると、石田・原の辻エリアとなっている。壱岐は 郷ノ浦、芦辺、勝本、石田の 4つの地区に分けられていることは知っていたが、石田だけは前回の滞在で訪れる時間がなかったので、原付で回ってみることにした。

石田町で撮影した海5か所。それぞれ違う場所だ。ここまで青い海は他ではなかなか見れないのではないか。ビーチには漂着物もなく、たいへん美しい状態が維持されている。沖縄の海を見たときもそう思ったが、僕が手を付けれるようなものではないと思ってしまった。すでに美しく、僕が何かをできるとしたら汚すことくらいだからだ。汚してやりたい。という欲望が生まれたとすれば、できることはあると思うが、そういう気持ちにはならない。若い時に、うっかりそういう気持ちになってしまったとき、海で野ぐそをしたことはある。

石田には民宿やペンションがたくさんあるようだ。他のエリアではゲストハウスやホテルはあるものの、このように宿泊施設が密集しているということはない。つまりそういう場所なんだろうか。

石田をぐるっと回った後、郷ノ浦でトロルへ。少し本を読む。今回のプロジェクトに関連するかもしれないと思っているものを5冊ほど壱岐に持ってきているが、読了する見込みはない。読むのが遅く、たいてい集中力が途中で欠けてしまう性質があるからだ。その後、試してみたいことができたので、紙粘土など工作できるものを購入。

芦辺浦に寄り、以前滞在したときにお世話になった方に顔を見せに行った。 だいたい僕はタイミング悪く現れるものだから、大忙しのところにお邪魔することになってしまい、少しだけ声をかけて別れる。その後、空と海という食事処へ。こちらも大変お世話になり、一度は泊めて頂いたこともある。宮崎から地鶏を取り寄せている店だ。写真は地鶏のタタキ。年末年始も空けると言う。カウントダウンも地域の方と一緒に迎えるとか。バイタリティ溢れる店主だ。美術を始めてからは、カウントダウンはだいたい一人で制作をしていたりすることが多い。年始に何か展示が入る場合が多かったからだろうか。今年は壱岐で年末年始を過ごす。こういう時期に滞在できることは滅多にないことなので、壱岐の正月ならではのことなども知りたいと思った。

シェアハウスに戻り、試してみたいと思ったことを試作してみるが、全くうまくいかない。しょうがないので外でタバコを吸う。月が丸かった。

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